2000年に誕生した『ヨーロピアン・カンパニー・ウォッチ』 そのコンセプトは1930年代に世界を席巻したアール・デコ様式を21世紀的な視点の見立てからデザインし、新たな時代のエレガンスを打ち出しました。またそのモデルはサハラ砂漠や地中海に象徴されるロマンとエキゾティシズムに溢れています。それは古くから冒険心にとんだ多くの欧米の男達を魅了し続けた1930年代の北アフリカヘのオマージュを具現化しています。
この時計を仕掛けたのは、ヴェネチア生まれのイタリア人ロベルト・カルロッティ。早くからクロノグラフやスポーティーな機械式時計を次世代のエレガンスと提唱し、髙く評価してきたイタリア人ならではの感度の高さと遊び心あるデザインセンス。『ヨーロピアン・カンパニー・ウォッチ』はそんな彼のキャリアと情熱の全てが注ぎ込まれています。
またその一方で、ムーブメントや製造面としての部分においては、歴史と信頼に裏打ちされた本場スイスとのコラボレートにより、クオリティーの高さにも万難を排した製品作りに臨んでいます。イタリアの感性とスイスの高い技術力。才色兼備な腕時計『ヨーロピアン・カンパニー・ウォッチ』は、その両者の持ち味が見事なまでに融合された腕時計です。
ロベルト・カルロッティは、北イタリアにおいて長年時計業界に深く精通し、幾多のブランドの輸入代理店という立場から、世界の流行の拠点でもあるミラノの時計市場のその大半を司ってきました。彼は生まれながらにして物の本質や、デザインの良さを見分ける力にたけ、またその優れた審美眼はスイス時計メーカーにも信頼が厚く、 これまで多くのメーカーにニューモデルのアイデアや商品コンセプトを提供しては、大ヒット商品を生み出す結果となり、ブランドビジネスの陰の立役者としても高名な人物です。かつて無名時代のフランク ミュラーのそのすぐれた才能を一早く見抜き、イタリア市場に最初に紹介したのもカルロッティでした。フランク ミュラー自身もそんな彼に絶大なる信頼を寄せ、『ヨーロピアン・カンパニー・ウォッチ』 製作面において、Watchland社の技術協力も実現しています。
「E.C.W」の最大の特徴のひとつとして、類稀な存在感を放つそのケースがあります。全てのケースはその素材からモノブロックとして削りだされ、B方向からの直線で構成されています。この複雑に異なった角度からの鏡面仕上げを完成させる為には、大変多くの作業工程と時間を必要とします。又、通常大半の腕時計のケースはベゼルと本体と裏蓋の3層構造で構成されていますが、 「E.C.W」のケースはベゼルとケースのみの2層構造となっております。ケースの裏側から、4本の長いスクリューでケースのペース部にしっかりと固定され、ケース全体を構成する2つの主要部分を強固に連結しています。このような連結システムは、当然ながら、高い防水性能も併せ持っています。又、ヘアライン仕上げされた裏側には、磨きあげられた二枚のプレートがはめ込まれ、それぞれにリファレンスとシリアルナンバーが刻まれる事で、その金属のコントラストの美しさが、工芸品の域に迄高められています。
「E.C.W」の皮ベルトは1930年代のスタイルをそのままに再現しています。アフリカのような過酷な自然環境の中では、通常の皮ベルトでは耐久性に欠ける為、厚手で上質な、ヌメ皮に、太くて丈夫な蝋引きの木綿糸を使い、一本一本手縫いで仕上げています。また植物タンニンによってなめされたこの革ベルトは、使い込むごとに濃い茶褐色へと変化し、持ち主と共に過ごしてきた時間の長さが、ヴィンテージ・ウォッチのような独特な風合いを醸し出してくれます。
「E.C.W」の文字盤のデザインはサハラ砂漠にある風土の中から生まれています。それは、広大な砂漠や、限りなく広がる青空の一部を切り取ったかのような、大自然の風景を連想させます。文字盤には4種類のカラーがあります。
【 Blue 】=青 無限に広がる紺碧の空
【 Black 】=黒 全てを包み込む闇
【 Sand 】=ベージュ 大地に切り立った砂岩
【 White 】=白 照りつける太陽から生命を守る白い壁